「マグネシウム」は、骨や歯の形成に必要な栄養素の1つで、カルシウムと密接な関わりがあります。多くの体内酵素の正常な働きとエネルギー生産を助け、血液の循環を正常に保ってくれています。
体内にあるマグネシウムの約3分の2は骨に存在し、カルシウムやリンと一緒に骨の構成部分になっています。残りの3分の1は、ほとんどが筋肉などの細胞の中に存在し、約300種の体内酵素の働きを助け、エネルギー作り、筋肉の収縮、体温調節、神経伝達、ホルモンの分泌などの働きに関わってます。
これらの働きからマグネシウムは、カルシウムやリンと共に丈夫な骨作り、動脈を弛緩させて血圧を下げ高血圧予防、筋肉の収縮をスムーズにさせて心疾患予防、神経の興奮を抑え、神経伝達を正常に保ち精神的なイライラを和らげ精神状態を安定させています。
また、Ⅱ型糖尿病患者にマグネシウムを摂取させたところ、空腹時血糖値の低下と血中HDL(善玉)コレステロールが増加したことから、糖尿病の予防・生活習慣病の予防・改善が期待されます。
普通に食事をしている分には、マグネシウムが不足する事はほとんどありません。
しかし、マグネシウムが不足してしまうと、血圧が上昇したり、筋肉痛になったり、心筋梗塞などの心臓の病気になったり、疲れやすくなったり、集中力の低下、慢性疲労、循環器系疾患などにも陥りやすくなります。
不足状態が悪化すると、発育不全、筋肉の痙攣、皮膚や筋肉へのカルシウムの沈着、神経過敏症などの神経症状、不安や抑うつ症などの精神症状、記憶障害、注意力散漫などの症状が現れます。他に、骨粗鬆症や糖尿病などの生活習慣病のリスクも高くなります。
ストレスが多い時や、睡眠不足・運動不足が続いている時、大量のアルコール、コーヒーの摂取は、マグネシウムの排出量を増やしてしまうので注意が必要です。
また、肉や加工食品、清涼飲料水などに多く含まれるリンの過剰摂取は、マグネシウムの吸収を妨げてしまうので気をつけましょう。
マグネシウムは、過剰摂取しても小腸で吸収量が調節され、余ると尿や汗と一緒に体外に排出されてしまうので、食事から普通に摂取していれば特に問題はありません。
しかし、腎臓に障害のある方は過剰摂取には注意が必要です。神経や心臓の筋肉が正常に働かず低血圧、筋肉の麻痺、下痢、吐き気、筋力低下が起こる場合があります。
マグネシウムが多く含まれる食材は、ほうれん草・金目鯛・ひじき・木綿豆腐・大豆・納豆・玄米・アーモンド・落花生・ごま・そば・干しエビ・わかめなどがあります。
マグネシウムはカルシウムと一緒にバランスよく摂取するようにしましょう。
理想のベストバランスは「カルシウム:マグネシウム=2:1」です。
どちらか一方だけにならないようにしましょう。
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