葉酸はビタミンB群の一種で、ビタミンB12と一緒に働いて赤血球を作る「造血のビタミン」です。
赤血球の寿命は約120日で、体内では常に新しい赤血球が作られています。
葉酸とビタミンB12が一緒に働き、正常に赤血球が作られることで貧血の予防にもなります。
また、葉酸はビタミンB12とビタミンB6と一緒に血管を老化させ動脈硬化の原因となる物質が血中に増えないようにしています。
血流を維持する働きがあるため、血流の停滞によって引き起こすと言われている認知症や聴力障害の予防にも期待されています。
ほかに、タンパク質や細胞を作る時に必要な、遺伝子情報が入っているDNAを作るサポートもしています。その為、妊娠中に不足すると胎児に異常が出る場合があります。
胎児の正常な発育の為にも、妊娠を考えている女性、妊娠中・授乳中の女性は特に必要な栄養素です。
特に妊娠初期に胎児の神経管が作られ、この神経管は、約28日で閉鎖、発達、やがて脳や脊髄になる器官で、胎児のこの部分に障害があると奇形や下半身麻痺などがおこる、神経管閉鎖障害になります。
妊娠時期を正確に把握することは難しい為、妊娠が分かってから葉酸をたくさん摂取するのではなく、妊娠を考えている女性は日頃から葉酸が多く含まれている食品を意識して食べるようにしましょう。
葉酸はDNAを作るサポートもしているので、正常にDNAの合成が行われることで、細胞はDNA情報を正確にコピーしながら分裂して増え、新陳代謝や成長を促します。
特に細胞増殖が盛んに行われる胎児期・幼児期の、健全な発育に必要な栄養素ですが、成人にとっても、タンパク質の合成に葉酸は必要であり、皮膚や粘膜を健康に保つ役目をしています。
葉酸は、健康な人の場合、腸内細菌によって体内でも一部合成できるので、バランスの良い食事をしていれば不足することはほとんどありません。
しかし、妊娠中の女性、たばこ・お酒が好きな人、避妊薬のピル・アスピリン、抗ガン剤を使用していると、葉酸の消費量が増え不足しがちになります。
不足すると、貧血、脱力感、肌荒れ、口内炎、胎児の先天性異常、動脈硬化などを引き起こしてしまいます。
葉酸は食事から摂取する分には特に問題ありませんが、薬やサプリメントなどで多量摂取が続くと、神経障害、発熱、蕁麻疹、皮膚炎などが起こる可能性もあるので注意が必要です。
葉酸が多く含まれている食材は、
鶏レバー、菜の花、モロヘイヤ、ブロッコリー、ほうれん草、アスパラガス、芽キャベツ、枝豆、苺、ライチ、アボカド、納豆、ナッツ類、卵黄、牛乳などです。
葉酸は水溶性のビタミンで、熱に弱く、調理中に壊れやすいので、新鮮な野菜・果物で生で食べられ物は生で食べるようにしましょう。
妊娠中、妊娠を考えている女性、成長期の子供、貧血予防、動脈硬化予防、肌荒れ改善、たばこ・お酒好きな人は、特にたくさん葉酸を摂取するように心がけましょう。
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