ビタミンB1は、主に糖質の代謝と疲労回復の為に働いています。
食事で摂取した糖質をエネルギーに変えたり、疲れを感じさせる物質の1つの乳酸を分解してエネルギーに変えたりしてくれています。
甘いお菓子、糖質を含む清涼飲料水、白米、パン、お酒が好きでたくさん食べる人は、その分、糖をエネルギーに変えたりアルコールを分解するのにビタミンB1がたくさん必要となります。
糖やアルコールの代謝にばかりビタミンB1が使われてしまい、疲労回復の分がなくなってしまうからです。
不足すると、糖質がエネルギーにうまく変わらなくなり、イライラ、ストレス、食欲不振、倦怠感、疲れやすくなったりします。
慢性的に不足した状態が続くと、脚気になってしまいます。
脚気になると、心機能の低下による足のむくみ、神経障害による足のしびれを引き起こし、最悪の場合死に至ることもあります。
日本では、玄米から白米が食べられるようになった江戸時代から大正時代に多かった病気ですが、
現代でもインスタント食品や外食など偏った食生活をしていると十分に罹る可能性のある病気です。
他に「ウェルニッケ脳症」を引き起こすことがあります。
典型的にはアルコールの大量摂取と関連して発症し、眼球運動の麻痺、歩行運動の失調、意識障害を伴います。
この病気は、ビタミンB1の補充のタイミングが適切でないと、続発症で「コルサコフ症候群」と呼ばれる慢性疾患を引き起こしかねません。
コルサコフ症候群は主に記憶障害を起こし、神経障害の認知症の1つで、発症すると元に戻ることはないと言われています。
どちらもビタミンB1不足が原因の病気です。不足しないように心がけましょう。
ビタミンB1は、豚肉、レバー、カツオ、ウナギ、たらこ、玄米、小麦胚芽、にんにく、卵、大豆、ピーナッツなどに多く含まれています。
特に、豚肉はヒレが1番多く、その次にロース肉、ばら肉と続きます。
水溶性のビタミンなので、効率よく取り入れるには調理や加工時に、煮汁、ゆで汁に成分が溶け出す味噌汁やスープなどにすると良いでしょう。
また油脂にはビタミンB1の消費を節約する働きがあるので油料理の炒め物もおすすめです。
ビタミンB1は水溶性なので、摂取しすぎても体内に貯蔵されることなく排出されてしまうので体に害を及ぼすことはありません。
体のだるさを感じる、疲労回復したい、お酒をよく飲む、喫煙する、スポーツをしている方は、より積極的にビタミンB1を多く含む食材を食べるようにしましょう。
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