「甘草(リコリス)」という薬草をご存じでしょうか?
主に漢方薬として古くから日本、中国、ドイツで幅広く利用されてきた薬草です。
中国北部、中央アジア、シベリア、イラン、ヨーロッパ各地を産地とする
マメ科の多年草で、
根を乾燥させたものをそのまま煮出して甘草湯にしたり、
粉末にして甘味料として使われています。
「甘草」は砂糖の50~80培の甘みがあり、
カロリーが低いので欧米では自然な添加物として、
お菓子やソフトドリンクなどに使用されています。
日本では、醤油の甘味料として使われています。
ハーブ先進国であるドイツでは、
ハーブの効能に関する公的評価委員会で承認されているハーブでもあり、
喉や鼻の消炎剤、胃や十二支潰瘍の痛みの鎮静剤として認められています。
「甘草」には、下のような様々な働きがあります。
・活性酸素の除去
・肝機能の向上(解毒作用・慢性肝炎・ウイルス性肝炎の予防)
・アレルギー症状の抑制(接触性皮膚炎・じんま疹・花粉症など)
・ストレスの緩和
・免疫力アップ
・ホルモンバランスの調節
・ダイエット
・老化予防
・生活習慣病の予防
・腫瘍の抑制
・抗炎症作用
・抗ウイルス作用
・胃腸の粘膜保護
・胃液の分泌の抑制
様々な薬効のある「甘草」ですが、
副作用も多い為、摂取する際には注意が必要となります。
特に子供や妊娠・授乳中の女性は注意が必要です。
長期間に渡り過剰摂取が続くと、
高血圧や浮腫み、腹部膨満、嘔吐、低カリウム血症、偽アルドステロン症などの
副作用がでる可能性があるからです。
「甘草」の1日の摂取上限量は約5gです。
(甘草に含まれるグリチルリチンの量としては200㎎)
漢方薬に含まれている「甘草」の1日量は、ほとんどが3g以下なのですが、
漢方薬には「甘草配合」の物が多く、
複数の薬を服用している際には注意が必要となります。
副作用の症状が現れたり異常を感じた場合は服用を控え、
すぐに医療機関を受診し、かかりつけの医師に相談してください。
また、妊娠中の方、腎臓や心臓に疾患がある方も注意が必要なのでかかりつけ医に相談しましょう。
「甘草」は市販薬の中にも配合されている物が多いので、
薬局でお薬を購入される際にも是非参考にされてみて下さい。
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