「セラミド」というと、
美肌に関する成分と何となく思われている方も多いのではないでしょうか?
「セラミド」はお肌への効果以外にも、
・アトピー性皮膚炎
・免疫力の活性化
・抗腫瘍作用
・神経細胞の活性化
などの作用が期待されて研究が行われています。
私たちの皮膚は約2㎜の厚さで、その中で何層かに分かれている構造になっています。
肌の表面から順に、表皮層→真皮層→皮下組織層の3層に分かれています。
肌の表面の表皮層は更に4つの層に分けられ、
表面から順に、角質層→顆粒層→有棘(ゆうきょく)層→基底層となっています。
「セラミド」は、この一番表面の角質層に存在する成分なのです。
角質層の厚さは、0.02㎜とサランラップ2枚分程の厚みしかありませんが、
皮膚の潤いを保ち、外部刺激から肌を守るという大切な役割をしています。
「セラミド」は油の一種ですが、油と水の両方に馴染みやすい部分を併せ持っている為、
水分を抱え込む事が出来るという特徴があります。
角質層にある細胞の間で「セラミド」の分子が一定方向に隙間なく並び、
積み重なった層の間に水分が保持されている構造の事を「ラメラ構造」と言います。
「セラミド」が「ラメラ構造」を形成する事で、
皮膚の保湿機能と紫外線や細菌、
アレルギー源などの刺激から肌を守るバリア機能を発揮しているのです。
現在、私たち人間の皮膚の角質層には、
6種類の「セラミド」が存在する事が明らかとなっています。
・セラミド① 外部刺激に対する優れたバリア機能、水分保持機能
・セラミド➁ 高い水分保持機能
・セラミド③ 水分保持機能、シワの深さを軽減する機能
・セラミド④ 角質の脂質バリア層の構築と維持する機能
・セラミド⑤ 角質の脂質バリア層の構築と維持する機能
・セラミド⑥ 水分保持機能、角質層の自然な剥離を促し、シワの深さを軽減する機能
6種類のセラミドの中で、セラミド➁が最も多く存在しています。
角質層に存在するセラミド全体のうち約21%がセラミド➁と言われており、
肌にとってとても影響力の高いセラミドと考えられています。
「セラミド」が不足すると肌のバリア機能が低下し、
肌の水分が逃げていってしまうだけでなく、外からの刺激も受けやすくなってしまいます。
特にセラミド①③⑥の減少は、皮膚を過敏にしてしまうので、
ドライスキン、角化症、魚鱗癬(ぎょりんせん)、
アトピー性皮膚炎などの原因になると考えられています。
そして、セラミド③⑥は加齢と共に減少する事が確認されています。
セラミドは食べ物からも摂取する事ができ、
1日当たり0.6~1.2㎎の摂取量が必要とされています。
多く含む食べ物には、
米
小麦
大豆
こんにゃく芋
乳製品
ほうれん草
などがあります。
特に生芋こんにゃくに豊富に含まれており、
100gで1日の必要量が摂取できると言われています。
体内に摂り込まれた「セラミド」は、一度分解されて別の成分となりますが、
その成分が表皮に到達すると「セラミド」の生産を促します。
その為、
一度分解されたとしても皮膚の「セラミド」の量は増えていくと考えられています。
効率よく健康的な肌を目指して、「セラミド」を食事や健康食品、化粧品などで、
内側、外側の両方から摂取してみては如何でしょうか?
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