前回ご紹介した「不飽和脂肪酸」。
どのような種類があるかのご紹介をさせて頂きました。
まだお読みでない方は、こちらからどうぞ。
脂肪酸と体の関係について国内外で研究が続けられており、
様々な作用が注目されています。
今回の後編では、
わたしたちの体にどのような働きをするのかを詳しくご紹介していきたいと思います。
①動脈硬化・高血圧の予防
一価不飽和脂肪酸に含まれるオレイン酸には、
悪玉(LDL)コレステロールを低下させる働きがあります。
この働きは、動脈硬化や高血圧の予防に役立つとされています。
また、多価不飽和脂肪酸のn-3系列のDHAやEPA、
n-6系列のγ-リノレン酸やアラキドン酸にも同様の働きがあると言われています。
➁血栓症の予防
多価不飽和脂肪酸に含まれている、
n-3系列のEPAやDHAには、血液をサラサラにし血流を促進する作用があります。
この作用により血栓が作られるのを予防し、
脳卒中や心筋梗塞などの血栓症の予防にも期待されています。
③アレルギー症状の緩和
多価不飽和脂肪酸のn-6系列に含まれているγ-リノレン酸には、
アレルギー症状を緩和させる働きがあるとされています。
また、多価不飽和脂肪酸のn-3系列のEPAにも、同様の働きがあると言われています。
④アトピー性皮膚炎の改善
多価不飽和脂肪酸のn-3系列に含まれているγ-リノレン酸は、
アトピー性皮膚炎の改善に役立つとされています。
⑤記憶力や学習能力の向上
多価不飽和脂肪酸のn-3系列に含まれているα-リノレン酸とDHAには、
脳を活性化させる働きがあります。
α-リノレン酸には、鬱状態を軽減させる作用があると考えられており、脳の健康維持に役立つと期待をされています。
また、DHAは脳をつくるリン脂質の中に含まれており、
脳の神経細胞に働きかける事ができる成分です。
その結果、記憶力や学習能力を高める事が出来るとされています。
更に、
アルツハイマー型認知症の予防・改善に役立つ報告もあり、研究開発が進められています。
⑥視機能の改善
多価不飽和脂肪酸のn-3系列に含まれているDHAは、目の機能にも作用します。
DHAは、目の網膜中のリン脂質にも存在し、その量は約40%を占めると言われています。
この量は脳の神経細胞をはるかに上回り、
目の網膜中のリン脂質には高濃度で含まれているとされています。
動体視力や近視にも、改善の働きが見られたという研究結果もあります。
多価不飽和脂肪酸は体内で合成できない脂肪酸なので、
日々の食事からバランス良く摂り入れる必要があります。
バランスとしては、
飽和脂肪酸3:一価不飽和脂肪酸4:多価不飽和脂肪酸3
の割合で摂り入れると良いとされています。
動脈硬化が気になる方、
脳卒中や心筋梗塞などの血栓症を予防したい方、
アレルギー症状を緩和させたい方、
アトピー性皮膚炎の方、
物忘れが多い方、
目の健康を維持したい方は、是非取り入れてみてはいかがでしょうか?
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