「アディポネクチン」というホルモンを、
一度は聞いた事がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
「アディポネクチン」とは、誰もが体の中に持っている善玉ホルモンの一種です。
「アディポネクチン」は、
全身の脂肪細胞から分泌されエネルギー代謝に大きく関わり、
老化予防、生活習慣病の予防改善など、
元気に長生きする為に重要なホルモンとされています。
脂肪細胞は余った栄養分を貯蔵する役割以外に、
「アディポネクチン」を含むその他様々な生理物質を分泌する、
内分泌脂肪としての役割がある事が明らかになっています。
この脂肪細胞から分泌される生理物質を総称して「アディポサイトカイン」と言います。
アディポサイトカインには、
動脈硬化を予防する善玉アディポサイトカインと、
動脈硬化を促進する悪玉アディポサイトカインがあります。
「アディポネクチン」は、
この善玉アディポサイトカインの一つで、
別名、「やせホルモン」「長寿ホルモン」とも呼ばれています。
「長寿ホルモン」と言われる由来は、
「アディポネクチン」の数値の高い人が長生きの傾向にあると研究で分かった事からです。
因みに「アディポネクチン」の名前の由来は、
脂肪組織「アディポ」で作られる、脂肪肝接着分子の一種である「ネクチン」
が由来となっています。
「アディポネクチン」の働きは様々で、
血管修復作用や脂肪燃焼作用、血管拡張作用などがある事から、
糖尿病、高血圧、動脈硬化、メタボリックシンドローム、脂質異常症などの
生活習慣病の予防、また、腫瘍が増えるのを抑制して癌の予防効果が期待されています。
更には、ヒアルロン酸の分泌を促進するなどの作用も期待されています。
その中でも最も注目されている作用は、血管を修復して動脈硬化を防ぐ働きです。
動脈硬化とは、
動脈にコレステロールや脂質が溜まり、
血管に弾力性や柔軟性がなくなってしまう状態の事を言います。
動脈硬化により血液の流れが悪くなってしまうと、
心臓や血管などの様々な病気の原因となってしまうのです。
善玉アディポサイトカインの「アディポネクチン」は、
私たちの体の中では血液の中に存在しています。
そして、
全身を巡って傷付いた血管を発見すると素早く修復を行い、
血管のメンテナンスをしてくれています。
それだけではなく、
血管拡張作用で血管が拡がるので血流が改善され、
動脈硬化、高血圧、心筋梗塞、脳梗塞の予防にも効果的だと言えます。
また「アディポネクチン」の脂肪燃焼作用は、
糖質、コレステロールの代謝を促進させる働きがあり、
インスリンの働きを助け糖尿病の予防に役立ったり、
脂質異常症やメタボリックシンドロームの予防に役立ったりするとされています。
「アディポネクチン」は、
脂肪細胞から分泌されているので、
脂肪の多い太っている人の方が多く分泌されると思われがちですが、
内臓脂肪が増える程「アディポネクチン」を含む
善玉アディポサイトカインの分泌量は減少し、
悪玉アディポサイトカインの分泌量が増加してしまう事が分かっています。
ただし、
痩せ過ぎで脂肪細胞が極端に少ない人も正常に「アディポネクチン」は分泌されません。
太り過ぎず、痩せ過ぎずの適度な脂肪が「アディポネクチン」の分泌量を増加させます。
このメカニズムはまだ解明はされていませんが、
私たち人間の健康維持に最も重要な役割を持つホルモンとして、
世界中の研究者から注目されています。
「アディポネクチン」を増やす方法については、次回の記事でご紹介していきます☆
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